2021年6月20日日曜日

音楽から得られるものってなに?

ドラマー/打楽器奏者の鈴木佑です。


前回の記事:音楽をやってみたい大人は日本にどれ位いるのか。にて

楽器をやりたいと思っている大人の

潜在的人口はかなりいるというお話をしました。



是非、そういった方々にも

楽器を始める一歩を踏み出して頂きたい!




今回の記事では音楽自体の魅力や、

楽器の楽しみや喜びについて

・高尚なもの

・実用的なもの

・知識教養・学問

という観点から記述します。




楽器や歌を習う目的やきっかけは人それぞれですが、

習ったことで得られる効用には

本人も思ってもみなかった意外なものもあります。



以前にも似た題材でブログを書いていますが

また違った角度から書いていこうと思います。


関連記事:音楽ってなぁに?改めて考察したら名前通りだったという話




■初めに、音楽を高尚なものとしての観点から考えてみる


2300年以上前にプラトンが語ったとされる言葉があります。



◆音楽の魅力

音楽は、
世界に魂を、
心に翼を、
想像力に飛翔を、
悲しみに魅力を、
そして、あらゆるものに陽気さと生命力を与えてくれる。

それは秩序の本質であり、
また、善であり真であり美であるもの全てに繋がっている。
音楽は目に見えない。
だが、それだから一層、
魅惑的で、情熱的で、永遠なる形といえるのだ。





さすがはプラトン、音楽の魅力の本質を突いているのではないでしょうか(^-^;




人の心を揺さぶり、想像力を掻き立てられるところに
魅力があるといえますし、
悲しみを魅力に昇華させる力さえ持っているのが音楽です。



そうは言ってもこれらの魅力は
言葉で伝えようとしても中々伝わるものではありません。


音楽は音楽でしか、その魅力を伝えることはできないともいえます。
例えば、数十年分の出来事や思いを
たった3,4分の曲に込めることだって出来ます。

何万の言葉を要しても
決して伝えられないメッセージ力を持っているところに
言葉を超えた音楽の魅力があります。


楽譜に込められた作曲者の思いは
時空を超えて永遠の形になるのかもしれません。





■もっと実用的な観点から音楽を見てみる


そういった音楽の崇高さの一方で、
「現世ご利益」を求めるのが
我々現代人の性です(^-^;


音楽を習うことによって
実際に得られる楽しみや喜びについて
具体的に考えてみましょう。



・演奏が上手くなった時の達成感

・人前で演奏した時の高揚感

・色々な音楽に関心が向く楽しさ

・知っている曲が増え、それが聴こえてきた時のワクワク感

・演奏を習ったことによる、いい音楽を聴いた後の感動の深まり

・楽譜が読める楽しさ、読めるようになる喜び

・リズム感、音に対する感度がアップする嬉しさ

・アンサンブルで音を合わせる楽しさ、演奏がキマった時やハモった時の気持ち良さ

・自己研鑽を心がけたり、自ら目標設定したりするようになる向上心の芽生え

・美を追求する喜び

・楽器に関する知識が増える喜び

・音楽を通じ、これまで出会うことがなかった仲間ができる楽しみ



他にもあるでしょうし、人によっても違うでしょうが
ざっと挙げてみてもこれだけあります。






しかも実際に自分が演奏してみることで、
聴く楽しみ方や喜びの質にも変化が生じます。


野球やサッカー観戦なども、
プレー経験があって観戦した方が何十倍も楽しめますよね?


それと同じです。

人によっては作曲やアレンジへの意欲が芽生えることもあります。




こういった様々な喜びや楽しみが広がるのは

音楽が国籍、民族、人種、性別、世代に関係なく
一人でも大勢でも、
健常者でも障がい者でも、
初心者でも上級者でも楽しめ、
色んなジャンルがあるからでしょう。



また、演奏する立場聴く立場があり、
教養知識として身に付ける対象にもなっていることから

楽しみ方も人それぞれであり、
相乗効果があるのも魅力です。






■他の学びとの相乗効果について考えてみる


先ほど
演奏、聴く、教養
という3つの音楽の楽しみ方について述べました。



最近ではビジネス等の世界でも
専門知識だけでなく、

社会人として生きていく上で役に立つ学びである
リベラルアーツの重要性が指摘されるようになってきました。



中でも音楽は
文法学修辞学論理学の三学と、

算術幾何学天文学音楽の四科で

リベラルアーツの源流といえる
古代ギリシャの自由七科の一つだったので
注目度も高いとされています。





※因みにリベラルアーツの語源は
古代ローマにおける
「アルテス・リベラレス(自由の技術)」のことです。

「アルテス・メカニケー(機械的技術)」
と対になる概念で

古代ローマでは「技術」を
その二つに分類して考えるとされていました。

この「技術」は、現在の日本語における「技術」とは違い
「芸術」も含んだ概念です。

少し小難しくなりましたが、
高度な基礎教養
と捉えておけば一旦問題ないと思います。





プラトンの書籍「国家」では
師であるソクラテスの言葉が綴られています。



「音楽・文芸による教育は決定的に重要なのではないか。

なぜならば、リズムと調べというものは、
何にもまして魂の内奥へと深くしみこんでいき、
何にもまして力強く魂をつかむものなのであって、

人が正しく育てられる場合には、
気品ある優美さをもたらしてその人を気品ある人間に形作り、
そうでない場合には反対の人間にするのだから」





さらに、ギリシアで最初にオリンピックが行われた時は、
スポーツのみでなく、芸術のオリンピックも同時に行われていたようです。


詩や音楽を競い合うことは重要な競技種目の一つだったとされていました。


現代のオリンピック憲章にも、

オリンピック開催都市は、必ず芸術のオリンピックを開催して
音楽・演劇などによって世界各国から集まる人たちの
芸術的欲求を満たさなければならない

と規定されています。




これらのことから
音楽が知識・教養、学問としても昔から
重視されていることがよく見て取れます。






現代日本の教育は
英数国理社という、いわば事実を学ぶ学問偏重が顕著

音楽、美術、哲学など
価値を学ぶ学問が軽視されている気はします。


戦後、高度経済成長期から大量に人材を作る教育としては
良かったかもしれませんが、

これからの時代、
自分なりの正解や価値を導き出すための教養を持つことも大切だと
私は思います。




もちろん音楽を始めたら誰でもソクラテスやプラトンのように
いきなり本質を見抜く能力が身につくわけではありませんが
そういった感性を磨く訓練には、間違いなくなります。






ということで音楽を始めるメリットについて

高尚なもの
実用的なもの
知識教養


と色々述べてみましたが、いかがでしたでしょうか。



楽器練習は脳にも好影響を与えますし、良いこと尽くめですね!(笑)

参考になりましたら幸いです!





________________________________________________________________________


演奏等、お仕事のご依頼を承っております。
ご連絡はHPのCONTACTよりお願い致します。

鈴木 佑のホームページ



__________________________________________________________________________

レッスン生徒募集しています♪


指導歴は俳優へのドラム演奏指導に始まり10年ほど、様々な年代のニーズに応えたレッスンを行っており、疑問を残さず基礎から上達していくレッスン内容に生徒様から大変好評を頂いております。

・何か趣味が欲しい方

・これからドラムを始めてみたい方

・リズム感を鍛えたい方

・練習を楽しくしたい方

・今よりも早いスピードで上達していきたい方

・スランプを抜け出したい方

・読譜力を高めたい方

・プロを目指している方

・講師としての仕事に携わりたい方

…等々、ご興味持ってくださった方は下記のURLからご確認の上ご連絡ください♪




____________________________________________________________________________

Twitterアカウント

1日1ツイートが目標です(笑)
宜しければフォローお願いします♪



2021年6月4日金曜日

音楽をやってみたい大人は日本にどれ位いるのか。

ドラマー、打楽器奏者の鈴木佑です。


若い方以外にも、

「大人になってからドラムを始めたい!」

という方にレッスンさせてもらうことが多々あります。



そんな中
「始めるのが不安で、億劫で…」
という意見を頂くことがあります。



確かに、年齢を重ねるほど新しいことにチャレンジする意欲が減退する気持ちは
分からなくはありません(^-^;



どの位の人が大人になってから音楽を始めているのでしょう?

大人になってから楽器を始める意義はあるのでしょうか?

関連記事:楽器演奏の効能





結論、
今日が人生で一番若い日、
今から始めましょう!


と私は言いたいですが
周りの目を気にするのも日本人の国民性。




今回の記事では
大人になってから楽器を始めたい人がどれ位いるのか

というテーマで記事を書いていきます。


読む人の励みになれば幸いです(^^♪




・楽器をやりたい大人はどれくらいいるか?




ヤマハ音楽振興会のアンケートでは20~60歳の大人の約3割が

「機会があれば楽器をやってみたい」

と考えているそうです。




日本の20~59歳の人口は大体6200万人ですから
その3割となると、統計上

約1860万人が楽器をやってみたいと考えているということです。




実際、これらの年代で楽器演奏を
「趣味・娯楽」としている人口は約640万人とのことで、

1860万-640万=1220万の人が
楽器をやってみたいけど、やれていないということになります。




さらに日本に4300万人以上いる60歳以上の方で、楽器をやりたい人も多くいて
この年代層が現在音楽教室に通い始めたりしています。


これらの層の潜在人口が若い層より低く見積もって2割だとしても
約860万人。



つまり
20歳以上の大人全体の
楽器をやってみたい人間の潜在人口は約2000万人に及ぶことになります。




これは中々大きい数字ですね!




しかし実際の習っているレッスン生の数を調べると
大手のヤマハ大人の音楽レッスンで約11万人、

早くから大人向け教室に力を入れ、
ショッピングセンター等でよく見かける島村楽器音楽教室が約3万人。


その他の教室、スクールや、
バンド活動、アマチュアオーケストラで活動している人を全て足しても
おそらく50万人に及ばないことが分かります。






・日本における音楽という習い事の変遷をたどってみる


そもそも西洋音楽がどのように日本に広まっていったか。




西洋音楽が本格的に日本に伝わってきたのは、明治初期までさかのぼると
いわれています。


明治16年(1883年)、のちの初代総理大臣となる伊藤博文が洋行中に
ピアニスト、作曲家として著名なフランツ・リスト
日本に音楽講師として招こうとしたこともあったとか。

フランツ・リストは当時すでに73歳と高齢で、この話は流れたようですが

この頃から戦前までの、
ごく限られた上流階層のみが家庭教師から教わることが出来た時代
日本の音楽教室の原点といえます。





戦後、バイエルを教本とした個人レッスンが行われるようになったのが
本格的な音楽教室の幕開けと考えられます。






次の段階として、
ヤマハ音楽教室やカワイ音楽教室が拡大展開し
急速に子供の音楽教育が普及していった時代になります。


この頃の音楽教室といえばほとんどがピアノ教室で
習っている生徒の大半は女の子でした。


よく昔の映画や漫画などで男の子がピアノを弾いてると

「やーい、男のくせにピアノなんてやりやがって!軟弱ものー」

なんてセリフがあるような時代ですかね。
今では考えられません(^-^;





そして現在
老若男女、習う目的も人それぞれ、

ジャンルも楽器も色々な種類を
好きな場所で学ぶことができる時代となりました。



この大きな変化の背景としては
少子高齢化や労働時間の短縮、女性の社会進出などによる
ライフスタイルやニーズの変化が考えられます。



様々な楽器や歌をエイジレスでジェンダーレスに、
なおかつ健康、婚活、ビジネスなど多様なニーズや目的にまで
応えられるようになってきているといえます。



音楽業界もそういったことをどんどん取り入れてるわけですね。





・日本における音楽の習い事の市場規模は?




少し前のデータになりますが
総務省「平成28年経済センサス_活動調査」
によれば、音楽教室の月謝の年間合計は約1200億円とのこと。

平均月謝を約1万円として、レッスン生数は日本で約100万人ということになります。


その中でも、
先述した通り大人は50万人に満たない、ということで
子供の方が多いでしょう。


20歳以上の楽器を習いたい潜在人口約2000万人
に対して50万人以下はあまりに少ない数字ですよね。




もし2000万人が新たに楽器を習い始めたら
月謝合計は約2兆4000億円。

日本は世界一の音楽教育大国になるかもしれません。



楽器を始めること、音楽を習うことは
日本の社会全体に対する大きな経済貢献になることも示している数字ですね♪






一方で同調査によれば

パチンコに19兆4000億円、
競輪競馬等に2兆2000億円のお金が使われているそうで。



…どうでしょう?

お金の使い方に工夫が必要だと感じたのは
私だけじゃないはずです。




日本の消費構造が
より文化的方向に変わることを願うばかりです。



まぁそのためには我々音楽家も
文化芸術、音楽や楽器の魅力を伝えられるよう
まだまだ頑張らねばいけないなと思います。







いかがでしたでしょうか。

想像以上に音楽や楽器に興味のある人って多いですよね。



自分だけじゃないんだ!と勇気が湧いてきたところで
早速楽器を始めちゃいましょう♪



因みにドラムは叩くとすぐに音が出るし、
スティックだけで始められるので
入口としては取っ付きやすいですよ(笑)





________________________________________________________________________


演奏等、お仕事のご依頼を承っております。
ご連絡はHPよりお願い致します。

鈴木 佑のホームページ




__________________________________________________________________________

レッスン生徒募集しています♪


指導歴は俳優へのドラム演奏指導に始まり10年ほど、様々な年代のニーズに応えたレッスンを行っており、疑問を残さず基礎から上達していくレッスン内容に生徒様から大変好評を頂いております。

・何か趣味が欲しい方

・これからドラムを始めてみたい方

・リズム感を鍛えたい方

・練習を楽しくしたい方

・今よりも早いスピードで上達していきたい方

・スランプを抜け出したい方

・読譜力を高めたい方

・プロを目指している方

・講師としての仕事に携わりたい方

…等々、ご興味持ってくださった方は下記のURLからご確認の上ご連絡ください♪




____________________________________________________________________________

Twitterアカウント

1日1ツイートが目標です(笑)
宜しければフォローお願いします♪